登下校、無線ICタグで把握 新しい「お守り」に人気
 無線ICタグ(荷札)を用いて登下校など子どもたちの行動を把握する試みが教育現場で相次いで始まった。インターネットと組み合わせて使えば、学校職員や離れた場所にいる親が子供の所在を知ることができる。ICタグはコストが安く、大勢の子どもに普及させやすい利点がある。子どもを脅かす事件が相次ぐ中で有力な保護手段として注目されそうだ。
 東京都豊島区の私立立教小学校富士通は27日、児童の登下校を無線ICタグで管理するシステムの試験運用を始めた。児童がカバンなどに入れたタグ(6センチ×3センチ)を、校門に置いた受信アンテナが読みとる。児童の登下校した時刻を職員がホームページで一覧できるほか、希望する保護者には登校・下校した時に携帯電話へメール送信する。来年4月から本格導入を目指す。
 岐阜県岩村町の町立岩邑小学校も21日から、同様のシステムの実験に乗り出した。共同印刷と同県各務原市第三セクター「VRテクノセンター」が協力、校門と通学路で計4カ所に受信機を設置し、いつ通過したかを学校内のパソコンで確認できる仕組みだ。保護者が同意した児童72人がタグを持って登校している。
 大日本印刷は子供の帰りが遅くなる学習塾向けに、タグから読みとった行き帰り情報を保護者にメール送信するシステムを販売。第1号として10月から、広島県内の学習塾に本格導入する。
 NTT西日本が今年4月に和歌山市の保育園に導入したシステムは、映像をインターネット配信するウェブカメラ4台がタグと連動する。保護者はホームページで、子供が持つ無線タグに一番近いカメラからの映像をみることができる。
略(09/28 02:13)