危うい武器輸出部分解禁
戦中派が苦言 経済同友会・品川終身幹事に聞く
 首相の私的諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」は4日、武器輸出の一部解禁を含む報告書を発表した。財界からの強い要望も受けた内容で、日本版「軍産複合体」の像が間近に浮かぶ。改憲にも熱心な財界だが、その中であえて「平和主義」にこだわる財界人がいる。経済同友会終身幹事の品川正治氏。戦中派の“一言居士”は、武器輸出の解禁も「日本のためならず」と警鐘を鳴らす。
 しながわ・まさじ 1924年、兵庫県生まれ。東京帝国大学法学部政治学科卒。第二次世界大戦中の44年、徴兵で中国戦線へ。49年、日本火災海上保険(現日本興亜損保)に入社し、84年に社長就任。会長を経て、91年から相談役。このほか、現在は経済同友会終身幹事、双日監査役を務める。経済同友会を含め、憲法9条改定を唱える財界の中で、一貫して護憲を訴えている。