経産省裏金疑惑:歴代の大臣官房企画室長、20年前から
 経済産業省は23日、歴代の大臣官房企画室長が約20年前から、外郭団体「産業研究所」(東京都千代田区)の調査研究費名目の資金の一部をプールして代々引き継いでいたと発表した。現在の資金は約3100万円に上る。 調査研究費は、産業研究所が、日本自転車振興会(同港区)から補助を受けて支出した。杉山秀二事務次官の説明によると、企画室は88〜93年、同研究所の依頼を受けて調査研究費の一部を管理しており、研究プロジェクトごとに預金通帳を作った。この間のプロジェクト32件のうち16件で10万〜300万円程度の残余金が生じたが返還されず、通帳と印鑑は代々企画室長に引き継がれた。
 中富前室長は03年7月に就任し、2900万円の通帳を引き継いだ。うち2400万円に自己資金を加え、04年4月、カネボウ株などを取引し、運用益約200万円を得た。当時、カネボウ産業再生機構の支援が決まるという微妙な時期だったが、杉山次官は「インサイダー(取引)という認識はない」と述べた。【宇田川恵】毎日新聞 2005年6月23日 21時23分