北海道電が不正隠し 重油漏れ警報、機能しないまま放置
2007年04月10日11時48分

 北海道電力伊達火力発電所北海道伊達市)で、パイプラインの重油漏れの検知装置を不正に動かないようにしていたことが10日、わかった。同社は電力会社の不正に関する国への報告期限の3月30日以前に知っていたが、隠していた。同社は10日、消防法違反の疑いがあるとして、経済産業省原子力安全・保安院に報告する。

 関係者によると、パイプラインは室蘭市から火力発電所まで約26キロ、燃料用の重油を運んでいる。以前に重油漏れの検知装置が誤作動して警報が鳴り、弁が自動的に閉まるトラブルがあった。このため、検知装置の異常を修理せず、装置が働かずに弁が常に開いている状態に改造した。

 同社では、社員らから不正の報告を受けていたが、調査担当者はこの報告について十分調べずに、国への報告をしていなかった。

 4月になって再度社内の窓口に調査を求める情報があり、不正の事実が発覚した。

 また、中国電力の島根原発2号機(松江市)でも99年に原子炉に冷却水を戻す復水器の流量が実際よりも5%ほど低く出るよう値を改ざんしていた。同社は3月末の報告書提出時に事実を把握していたが詳細がつかめなかったため、10日、保安院に報告することにした。