加ト吉:廃棄予定コロッケを横流し 工場長がミート社に
 北海道苫小牧市の食品加工卸会社「ミートホープ」の牛ミンチ偽装問題で、冷凍食品大手の加ト吉は24日、子会社の北海道加ト吉の茨木(ばらき)薫工場長(53)が、本来は廃棄しなければならない冷凍コロッケを、ミート社の田中稔社長に販売していたことを明らかにした。販売数は最大8万個で代金は社内の懇親に充てたといい、加ト吉は同日付で工場長を解任した。農水省は、横流しした商品が賞味期限切れの状態で出荷される可能性を加ト吉が想定できたとみており、ミート社の一連の不正行為と加ト吉との関連も含め調べる方針。

 北海道加ト吉は、ミート社から牛ミンチを仕入れ、冷凍コロッケなどを生産・出荷している。社内ルールでは、冷凍コロッケを箱詰めする際、端数が出た分については廃棄することになっているが、茨木工場長は02年4月ごろから約2年間、端数分の計3万〜8万個のコロッケを1個5〜10円で田中社長に販売。30万〜40万円の代金は北海道加ト吉の利益には計上せず、社内の飲食費にしていた。22〜23日、農水省などが北海道加ト吉に立ち入り検査し、不正が発覚した。工場長が農水省に対し、不正を認めたことから解任したという。

 ミート社を巡っては、賞味期限切れ間近の冷凍コロッケを格安で仕入れ、賞味期限のラベルを張り替えて系列会社に転売した不正も明らかになっている。茨木工場長がミート社に販売したコロッケが転売された可能性があるが、加ト吉は「分からない」(東京支社)としている。

 農水省表示・規格課は「当然、加ト吉は賞味期限切れで販売されることを予想できたはずでミート社による違法行為を引き起こした可能性が高い。横流しは食品会社として、あってはならない行為で、一連の偽装とのかかわりも含め調べる」としている。【平地修、北川仁士】

毎日新聞 2007年6月24日 21時04分 (最終更新時間 6月24日 23時41分)