暗いニュースリンクより

10/16/2004
イカー元米国務長官イラク債権の放棄を各国に要請しながら、クウェートイラク債権のみ回収を約束、回収手数料はカーライル・グループ
イラクの抱える対外債務の削減という仕事のため、ブッシュ大統領から特使として任命されたジェームズ・ベイカー元米国務長官が、政府特使として各国を訪問しながら、同時に自らのビジネスパートナー国に対して裏取引を提案していたことが、極秘資料の暴露により明らかになった。しかもこの密約には、同じく元米国務長官のマデリン・オルブライトも関係しているという。

イカー氏は、米国の投資銀行であるカーライル・グループの上級カウンセラーであり、同社の株を1億8,000万ドル分保有している。また、弁護士としてのベイカー氏は、2000年度にブッシュ選挙チームを勝利に導いた参謀の1人であり、彼の経営する弁護士会社ベイカー・ボッツは、911テロ遺族がサウジ王家をテロ資金供与の件で訴えた裁判において、サウジ側の弁護団を務めている。

略 暴露された内容によると、カーライル・グループは、オルブライト・グループ(元米国務長官マデリーン・オルブライトのロビー会社)他企業と共同で、極秘の事業体を設立し、その事業体から、カーライルの顧客であるクウェート政府に対して、同国の抱えるイラク債権270億ドル(約2兆9,516億円)の回収を提案し、見返りに、クウェート政府は、20億ドルを同事業体に投資するという取引となっている。(投資の半分はカーライル向けである)
略 ベイカー氏が各国首脳を説得してイラクの抱える借金の回収を放棄させる度に、クウェート政府がイラクから回収できるお金は増えていく。そしてその回収金の5%を手数料として、カーライル率いる事業体が受け取るという取り決めもあるとのこと。

この驚くべき暴露記事が世界に配信されはじめた15日、カーライル・グループは事業体からの撤退を発表し、密約は停止したと広報している。しかし犯人側からのPRをすんなり信じるほど、各国首脳は馬鹿ではない。少なくとも日本以外の、情報収集活動と連動して外交、交渉という業務を行っているマトモな各国首脳は、今後何らかの対抗策を講じるだろう。