2005年1月14日 9:57am PT
モンサント遺伝子組み換え作物「不正使用」で農家を次々と提訴
AP通信
 米モンサント社は1999年、大豆農家を営むホーマン・マクファーリングさんを訴えた。同社技術を不当に使用したとして、多額の支払いを求めるものだ。マクファーリングさんは何をしたのか? 収穫した大豆の一部を取っておき、次のシーズンに種として植えた――つまり、大昔から続いてきた農業の慣行に従っただけの行為を、モンサント社の「種子警察」は不当と判断したのだ。
 「父親も種を取っていた。私もそうしただけのことだ」と、マクファーリングさん(62歳)は話す。マクファーリングさんは現在も、ミシシッピ州シャノンにある約2000ヘクタールの自家農場で大豆を栽培しており、農業関連大手のモンサント社と法廷で争っている。
 害虫を駆除し、除草剤でも枯れないよう遺伝子操作したモンサント社の種を取っておくことは、同社と農家が交わす契約の規定に違反するものだ。
 バイオテクノロジーに反対する公益団体『米食品安全センター』が13日(米国時間)に発表した報告書(PDFファイル)によると、モンサント社は1997年以降、147軒の農家と39社の農業関連企業を相手取り、同様の訴訟を全米25州で90件起こしているという。