ニュースそうだったのか:農薬規制、来年から強化 130作物に10万項目の網
 食の安全にかかわる農薬の規制が大きく変わろうとしている。国内外で使われる農薬すべてに規制の網を張る「ポジティブリスト制」が、間もなく食品衛生法に導入される。チェック対象は約10万項目にも及ぶ。膨大な項目をきちんと検査できるのか、厳し過ぎる基準で農産物が出荷できなくなる恐れはないか、など課題は多い。
◇130作物に10万項目の網
 現在、国内で残留基準値のある農薬は246種類。それ以外の農薬が食品から検出されても食品衛生法の規制対象にならない。今回導入される「ポジティブリスト制」は、どんな作物、食品についても「人の健康への影響がない農薬の残留量」として、一律に0・01ppm以下の暫定基準を設定する。ただし、リスク評価の定まった農薬は、これと別に基準値が設けられる。
 ◇残留農薬規制の各国比較◇
    制度       農薬数 一律基準
日本  ポジティブリスト 714 0.01
米国  ポジティブリスト 345 定めず
カナダ ポジティブリスト 145 0.1
NZ  ポジティブリスト 152 0.1
毎日新聞 2005年6月20日 東京朝刊