環境 増える“エコホテル” ごみ削減など工夫、経費減らす効果も 【下桐実雅子】
 ◇自然環境保全に配慮
 赤坂エクセルホテル東急(東京都千代田区)の客室のバスルームには、直径8センチほどの緑色のコインが置かれている。一緒に歯ブラシやシャワーキャップ、ひげそり、くし、綿棒が並ぶ。コインには「これらのグッズを一つも使用されなかったお客様は、コインをフロントにお持ちください」と書いてあった。
 歯ブラシなど使い捨て品の使用量を削減し環境負荷を減らそうと、ホテルを運営する「東急ホテルズ」(東京都渋谷区)が01年10月に導入した「グリーンコイン制度」で、コイン1枚ごとに苗木1本を植林活動に取り組むアジアの子供たちなどに贈っている。系列59ホテル中48ホテルで実施中で、3月までに世界12カ国に53万2014本の苗木を寄付した。
 ☆環境格付けも
 NPO「グリーン購入ネットワーク」(GPN、東京都渋谷区)は03年、宿泊施設の環境対策を点数化し、結果をホームページ(http://www.ecochallenge.jp/)で見ながら予約できるシステムの運用を始めた。
 評価するのはごみの削減とリサイクル▽省エネと節水▽環境に配慮した製品の購入−−など5分野89項目。各分野とも、5点満点中何点かを表示する。
 ☆選択の基準に
 環対策を宿泊施設選びの基準にする自治体や企業も出てきた。
 仙台市は6月から、職員が会議などで市内のホテルや旅館を利用する際に、環境に配慮している施設を優先的に選ぶことにした。「歯ブラシなどの備品が二重包装されていない」「残飯の水切りなどで(食品廃棄物の)減量化をしている」など14項目を判断基準とし、10項目以上を実践している施設から選ぶ。
 大成建設(東京都新宿区)も、出張時などにはGPNが紹介している宿泊施設を優先利用するよう社員に通知している。毎日新聞 2005年8月7日 東京朝刊