NOVA 本部が違法マニュアル 一部業務停止命令
2007年6月14日 朝刊

 英会話学校最大手のNOVA(統括本部・大阪市)の受講契約をめぐる問題で、統括本部が違法な対応をまとめたマニュアルを作り、全国の事務所に実践を指示していたことが十三日、経済産業省の調査で分かった。 

 上層部もこうした実態を把握していたことを認めているといい、経産省は会社ぐるみで違反を繰り返していたと判断。同日午後、特定商取引法に基づく命令書をNOVAに交付し、十四日から六カ月間の一部業務停止を命じた。併せて今後二年間、利用者の苦情への対応状況を四半期ごとに報告するよう、異例の命令をした。

 連携して調査していた東京都も十三日、都消費生活条例に基づき同社に改善勧告した。

 同社の猿橋望社長は記者会見し「処分を厳粛に受け止める。利用者の皆さまに深くおわびします」と謝罪した。

 経産省によると、NOVAはレッスン予約について虚偽の説明をしていたほか、実際には入学金を常時免除しているのに、テレビCMなどで「今だけ入学金免除」と広告し利用者を勧誘。また中途解約時の返還金を過少に算出するなど、特商法に違反する行為が全部で十数種類確認された。

 統括本部のマニュアルは今年二月、特商法に基づく立ち入り検査で発見。中途解約を申し出た受講生に対し、実際には契約時に入学金の免除を約束しているのに、「契約書に入学金が記載されている」などと説明して返還金から差し引くことなど、具体的な対応方法を示してあった。

 検査では、同社社長が講師の大幅な不足で受講予約が取りにくくなっている状況を把握しながら、積極的に新規契約を拡大するよう指示したことを示す会議録も見つかったという。