汚染米を食用袋に詰め替え 三笠フーズが偽装工作

2008年9月8日 12時46分

 農薬やカビ毒で汚染されたコメの不正転売問題で、米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)の財務担当者は8日、同社の九州事業所で、工業用として販売するはずの汚染米を食用の袋に詰め替える偽装工作をしていたと発表した。三笠フーズが、恒常的に不正転売していたことを裏付けるものとみられる。

 財務担当者によると、詰め替えられたのは、農薬メタミドホスに汚染されたもち米。政府から約30キロ入りの袋で購入し、福岡県の九州事業所で1トン入りの袋に詰め替える作業をしていたという。

 帳簿上は約350トンを佐賀県の工業用のり加工会社に販売したことにしながら、実際は全量を昨年11月ごろから今年8月にかけて複数の仲介会社を経由して、福岡県の食品加工会社に転売していたという。

 この食品加工会社では8月29日、汚染されたもち米55トンが未開封のまま見つかっている。

 のり加工会社が三笠フーズから米を受け取ったことを示す物品受領書も見つかったが、担当者は「(三笠フーズが)名前を勝手に利用したとみられる」と話した。会社名などは明らかにしなかった。
(共同)