不正を告発した三菱重工社員が労働審判申し立て
2008.9.28 19:04

 社内の不正行為を告発したところ、担当部署を外されて関連会社に不当に出向させられたとして、三菱重工業(東京)の男性社員(54)=神戸市垂水区=が、出向の取り消しと慰謝料など110万円の支払いを求める労働審判神戸地裁に申し立てたことが分かった。

 申立書などによると、男性は同社神戸造船所(同市兵庫区)に勤務していた平成16年7月、職場の社員たちが、会社が用意した虚偽の実務経歴証明書を利用して国土交通省の外郭団体に提出、「監理技術者」の資格証を不正取得したとして社内のコンプライアンス委員会にメールで通報した。

 同委員会が返答を先延ばしにするなどしたため、西村さんは17年3月、国交省に通報。上司から「組織として統一行動がとれない者は会社から出ていってほしい」と迫られ、19年6月に関連会社への出向を命じられたという。

 同造船所は「内部告発をもって社員を出向させたという認識はない。適切な人事管理をしており、審判の場を通じて明らかにしたい」とコメントした。