サッシ5社が性能偽装 防火窓の耐火試験で不正認定
2009.1.8 23:37
このニュースのトピックス:不祥事

 エクセルシャノンが販売した耐火性能で偽装工作した樹脂サッシの内部

 国土交通省は8日、エクセルシャノン(東京)、三協立山アルミ(富山)、新日軽(東京)、PSJ(同)の国内サッシメーカー4社とシンガポールの1社が、プラスチック製防火窓サッシの性能試験で、不正に国交相の認定を受けていたと発表した。

 国交省によると、5社は20分間加熱して耐火性能を調べる防火試験の際、窓枠内部にある黒鉛製の遮炎材を増量するなどの手口で偽装し、計80件の認定を不正に受けた。

 5社はその後、コストダウンのため認定を受けた製品の遮炎材を減量、防火性が劣った製品を販売していた。

 国交省への5社の報告では、不正に性能試験を受けた樹脂製サッシは北海道、東北地方などの寒冷地を中心に約5500戸の住宅、学校などに使用されているという。

 同省では「極めて悪質」として、5社に対し防火性の劣るサッシの改修など、必要な対策、原因究明、再発防止策の報告も8日、指示した。

社会
防火窓サッシ性能偽装 道内など5500棟で使用 5社の認定取り消し(01/08 20:09、01/09 07:27更新)

 国土交通省は八日、樹脂サッシ大手の「エクセルシャノン」(東京)など五社が道内などで普及している住宅用のプラスチック製防火窓サッシの性能試験で偽装工作し、不正に大臣認定を受け、販売していたと発表した。認定はすべて取り消す。各社には改修と再発防止策を指示した。

 防火窓は断熱性に優れており、北海道をはじめ、東北など寒冷地で普及。国交省によると、一戸建てを中心に約五千五百棟に設置され、ホテルや学校にも使われているという。

 国交省によると不正が発覚したのは、エクセル社のほか、新日軽(東京)、PSJ(同)、三協立山アルミ(富山県高岡市)、シンガポールの「H・R・D・SINGAPORE PTE LTD」の五社。二十分間加熱して耐火性能を調べる試験で、延焼を防ぐために窓枠内部に黒鉛製の「遮炎材」を増量するなどし偽装。二〇〇三年二月から〇八年七月までに計八十製品の認定を不正に受けた。

 エクセル社によると、二十分の耐火性能があると認定された防火窓は、実際には十三分しかなかった。対象製品が最も多かったエクセル社は八日夜、東京都内で会見し、不正の理由に製造時のコストダウンがあったことを明かし、無償回収する考えを示した。

 〇七年十月、ニチアス(東京)の建材耐火性能偽装が発覚後に、国交省が一斉調査を指示したが、五社は「偽装はない」と回答していた。国交省建築指導課は事態を重視、同様の製品で認定を受けている全社に対しても調査を指示する。

 住宅リフォーム・紛争処理支援センターは九日から消費者相談窓口を設置する。連絡先は(電)03・3556・5147(土日を除く)。エクセル社の窓口はフリーダイヤル0120・005・211(土日、祝日を除く)。