ボーイングとIBM、軍事IT技術で提携
 【シカゴ=山下真一】米ボーイングと米IBMは20日、地上、宇宙での通信などに関する軍事技術を共同開発すると発表した。契約期間は10年で国防総省から大型案件の受注獲得を目指す。米政府は兵器、戦闘システムのハイテク化を進めており関連企業への波及効果は大きいとみられる。IBMは民生技術の軍事転用を進め収益拡大につなげる考えだ。

 共同開発するのは、衛星や戦闘機、潜水艦などを地上のコンピュータが一括管理するのに必要となるデジタル通信や情報通信の技術。陸、海、空の軍隊を一つの情報システムで結ぶのが特徴で、国防総省が最も力を入れている分野の一つ。開発には高度な情報技術(IT)が必要となり、両社は今後10年で市場規模は10倍の2000億ドルに膨らむとみている。IBMはボーイングに対し、最新のコンピューター関連製品のほか半導体の設計など広範なIT技術を供与する。「商業用のIT技術を開発してきたが、ボーイングとの提携でそれを国防総省向けにも提供していく」(幹部)としている。 (09:57) nikkei