トヨタ系企業
偽装請負の告発者“解雇”
愛労連 愛知労働局に指導要請へ

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 労災隠しと偽装請負を告発した青年が、偽装を摘発された発注企業から継続雇用をはずされる事件が起きました。愛労連(愛知県労働組合総連合)が十九日明らかにしました。同労連は、近日中に愛知労働局に、告発者への不利益扱いだとして、指導を要請します。

 青年、Kさん(21)は、トヨタ自動車の部品会社「トヨタ車体精工」(TSK、愛知県高浜市)の工場で三月、全治四週間のけがをしました。しかしTSKと、Kさんを雇用する派遣会社「大起」は、労災の報告を怠りました。

 Kさんの告発で、実態は労働者派遣なのに請負契約を装う偽装請負がTSKで行われていたことも判明し、愛知労働局が改善を指導。TSKは大起との契約を八月一日付で請負から派遣に切り替えました。Kさんは六月にもけがをし、完治せず休業中でした。

 大起は八月末に破産手続きを開始。解雇された従業員は、発注元のTSKが、大起からの推薦者を契約社員として継続雇用することを明らかにしました。しかし、Kさんと同居人のHさん(20)は排除され、八月末で解雇に。会社の寮からも退去させられました。賃金も一部未払いのままです。

 北海道から愛知に働きにきた二人は、現在住居もなく、アルバイトで食いつなぐ状況。Kさんは労災休業中で解雇は無効です。

 Kさんは「僕は泣き寝入りはしない。ばかにするなと言いたい」と話しています。

 現在、大起とは連絡が取れない状態で、TSK側はKさんの不採用について「大起が推薦しなかった」と、責任を大起に押しつける態度です。

富士火災社員、無効求め会社提訴
 富士火災海上保険が「弁護士に法律相談をする場合は会社の事前承認が必要」などとする社員行動規範を定めたのは「裁判を受ける権利を保障した憲法などに違反する」として、社員15人が行動規範の無効確認と1人当たり10万円の慰謝料を求める訴えを20日東京地裁に起こした。

 訴状によると、同社は今年5月、正社員や契約社員らを対象にした行動規範を制定。違反した場合は懲戒処分や訴追の対象になるとしたうえで、全社員に規範に従うとの確認書への署名を求めた。原告側代理人の弁護士は「規定は前代未聞。時代の流れに逆行している」としている。

 富士火災海上保険社長室広報グループの話 訴状を見ていないのでコメントできない。 (22:38)